外国人観光客は旅館よりもホテルの利用比率が高く、日本のルールや注意事項をしっかりと伝えることが大切です。

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外国人向け宿泊施設を建てるために必要な知識

増加する外国人旅行客をターゲットに宿泊施設を開業する方が増えています。
外国人向けの旅行産業は国策にもなっていて、2011年には612万人だった訪日外国人客を政府は2020年には2,000万人、2030年には3,000万人に増やす目標を掲げています。

 

確実に増加の見込まれる一方で、需要拡大をしても外国人向け宿泊施設はニーズの高いサービスを提供しないと集客できません
これから宿泊施設を開業する方に向けて、外国人向け宿泊施設を建てるために必要な知識を求めました。

 

 

外国人観光客に人気が高いのはホテル

ホテルを利用する外国人旅行者

日本ならではの「おもてなし」を提供する目的で、旅館の開業を考える方もいますが、外国人はホテルの利用比率が非常に高いです。
海外から宿泊施設を探す人は「ホテル」のワードで検索する需要が高く、旅館という日本ならではの文化の認知度が低いです。
日本の旅館はホテルとは違う魅力と付加価値がありますが、外国人から見ればゲストハウスに近い印象を抱かれるケースがあります。

 

もちろん、日本の文化を事前に調査して、せっかくの日本旅行だから旅館に泊まりたいと希望を抱く人もいますが、こうした外国人旅行客は京都や富士山周辺、温泉街を選ぶ需要が高いです。
東京、大阪、那覇、福岡などの都市圏の観光ではホテルの需要が高いことを覚えておきましょう。

 

また、ホテルが人気の要因は英語を話せるスタッフが常駐している割合が高いからです。
外国人向けに旅館を運営する場合は、ホームページやポータルサイトで英語を話せるスタッフが常駐していることを大きくアピールしておきましょう。

 

ポータルサイトの普及によって民泊もシェアを伸ばしています。
外国人の心理としては、宿泊費用を節約させる目的で民泊を選んでいます。
近隣のビジネスホテルよりも安いことが望ましく、観光スポットへのアクセスが悪ければ、よりリーズナブルな料金設定にしないといけません。

 

 

外国人観光客に多く見られるトラブル

海外では日本と異なる文化が多く、しっかり注意事項や日本のルールを伝えないとトラブルを起こします
外国人の宿泊客が起こすトラブル事例をご覧ください。

 

土足で生活する

アメリカなどは家の中も靴を履く文化があります。土足厳禁の旨をアナウンスしないと部屋中の床を汚されたり、和室の畳がボロボロになってしまいます。

 

トイレが汚れる

海外ではトイレットペーパーを水に流せないところが多いです。
こちらも伝えておかないとゴミ箱や床が排泄物の付いたトイレットペーパーで一杯になってしまいます。

 

夜に騒ぐ

グループでの宿泊や他の外国人旅行客が多いと、夜にパーティーが始まって騒がれることがあります。
外国人向け宿泊施設は近隣住民からの苦情がきやすいので注意するとともに、他の宿泊客にも迷惑をかけないような配慮をしましょう。

 

ゴミ出しマナーが悪い

民泊に多く見られるトラブルで、分別をせずに玄関の前にゴミを出して、カラスに荒らされてしまい近隣から苦情がくることがあります。

 

無断キャンセルや備品の持ち帰り、連絡なしの深夜のチェックインなど

日本人にもマナーの悪い宿泊客はいますが、外国人観光客向けの運営をする場合は、こうしたトラブルリスクが高いことを認識しておきましょう。
何かあった際に事後請求するのが日本人よりも困難です。

 

 

ツールが充実

多言語に対応したイラスト付きで日本の生活マナーを伝えるパンフレットや、多言語対応のAIによる自動翻訳チャットツールなどが登場して、外国人観光客を受け入れるハードルが下がっています。

 

外国人をターゲットにする場合、経営者が英語を話できても中国語やスペイン語など他の言語しか話せない方もたくさん訪れます。
言葉や文化の違いを克服するのに有効なツールを積極的に導入し、言葉が通じない相手でも注意事項を認識してもらう環境を用意できればトラブルリスクを少なくできます。

 

それでも無断キャンセルや備品の持ち帰り、設備の破損などは日本人宿泊客よりもリスクが大きく、何かあった時にキャンセル料や損害賠償を請求できないことが多いです。
やむを得ない損失リスクを想定した上での経営計画を立てましょう。